OMRON UPS BY-120S納品

お客さんから停電対策のためのバックアップ電源について相談を頂きました。一番に思い浮かぶのは、PC、サーバー用UPSですね。

使い慣れたAPCのUPSを一番最初にイメージしたのですが、今回のニーズはPCやサーバーではなく、電話関係の機器なので効率重視、及びコストパフォーマンスのバランスを重視して選定する事にしました。

お客さんのニーズとしては、長時間の停電(アクシデント、計画停電問わず)に備えられること。つまり長時間のバックアップが可能であることでした。幸い電話関係の機器一つなので消費電力は5.5Wとごく小さな電力で動きます。つまり長時間バックアップが期待できます。

まずは機器メーカーをざっくりと絞り込みます。弊社は省エネを提案している電気施工(設計)会社ですので、通常の待機電力もしっかり考慮します。機器のバリエーション等からも比較した結果、OMRONのUPSをターゲットとする事にしました。

 

さて、UPSの容量の計算は、下記のようにしました。

ワット数(W)から、皮相電力(VA)を算出(力率は60%と控えめにした)
〔皮相電力(VA)=(W)÷力率〕により、VA=5.5÷0.6≒9.2としました。

この数値をOMRONのUPS選定ツールにかけてみたいのですが、選択出来る最小数値は33VAなので、33VAで機種を選択しました。使用する最大負荷は20W以下、停電時に必要なバックアップ時間は240分としました。候補となる機種がリストアップされてきます。

UPS選定の注意点は、VA値、W値共に最大値が超えてはいけません。今回のお客さんは他の機器は接続しないという確約がとれたので、20Wを最大としました。自分が使うなら良いのですが、お客さんが使うので監視しているわけにもいかず、本来ならここはもっと余裕を見ておくべきなのかも知れません。幸い機器の性能はもっと上にあるので、他の機器を仮に接続されたとしても、バックアップ時間が短くなるだけなので危険は無いと判断しました。

OMRONのUPSは、BYシリーズとBNシリーズは正弦波出力が得られるので、安全を見て正弦派タイプを選択しました。矩形波のタイプでも動く可能性は十分あったのですが、試してみないと分からないのでそこはリスクと考えた次第です。

BY120S

OMRON UPS BY-120S

OMRON UPS BY-120S

この機種は、立てても寝かせても使えるので、設置形態が柔軟で便利です。お客さんの環境では隙間に立てて置く事にしました。

まず一度はフル放電覚悟で何時間バックアップ出来るか試してみないと正確にはわかりませんが、期待値としては3倍、おそらく2倍の時間は持つと思うので8時間までの停電には耐えられるのでは無いかと考えています。

なお、PC、サーバーシャットダウンアプリケーションは、Windowsはもちろん、Mac OS 10.6、Linuxにも対応していました。

UPSの設定はUSBケーブルで接続して、専用の設定プログラムからでも行えるので、こういう機器の設定が苦手だという方でもPCからの操作なら大丈夫なのでは無いでしょうか?

市場価格も安くなっており、コストパフォーマンス面でも良い選択が出来たと思っています。